宇都宮の豪商、﨑尾家に伝わる絵巻の解説本が完成しました。
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絵巻には、弘化4年の菊水祭を中心に、春渡祭・冬渡祭(どちらもオタリヤと読む)ほか神社の祭礼が描かれています。
掲載の図版は栃木県立博物館が高解像度で撮影したもので、その内容を当プロジェクトおよび外部の専門家が解説がしています。
ほかにも菊水祭ほか祭りの歴史や宇都宮型山車屋台の解説、市外に譲渡された山車屋台の行方、各町との関係など内容は多岐にわたり、大変読み応えのあるものになっております。
二荒山神社、うさぎや、たまきで販売しておりますので興味のある方はお早めにお買い求めください。
以下、産経新聞2018.4.27版から抜粋
祭礼絵巻、悲願の冊子完成 宇都宮二荒山神社・山車復活プロジェクト「次世代に継承」
■江戸の臨場感克明に
宇都宮二荒山神社(宇都宮市馬場通り)の祭礼で使われた山車(だし)を復活させようという有志で結成した「宮のにぎわい山車復活プロジェクト」(藤原宏史会長)は、活動の原点になった絵巻の図版を一冊にまとめた冊子「弘化四年宇都宮二荒山神社御祭礼絵巻」を発行した。江戸時代末期の祭礼の様子が克明に描かれ、当時の臨場感を今に伝えており、冊子完成はプロジェクトのメンバーにとって、山車の巡行復活に続く悲願達成となった。(松沢真美)
絵巻は縦27・2センチ、横11・2メートル。作成は弘化4(1847)年で、当時の山車巡行を今に伝える。現存する貴重な史料として次世代に継承していこうと、冊子には絵巻全体を掲載。祭礼の説明や描かれている山車、彫刻屋台などの解説をまとめた。
プロジェクトは宇都宮城址公園清明館(同市本丸町)に残されていた旧新石町(同市清住町、伝馬町)の火焔(かえん)太鼓山車を復活し、巡行でにぎわいを取り戻そうと平成23年、有志約20人で発足。山車の構造や保管法を調査し、賛同者から寄付を募るなど地道な活動を続け、26年に山車を復元、80年ぶりに菊水祭で巡行した。28年には桃太郎山車も復元、巡行した。
プロジェクトのメンバーらは、山車の修復活動の中で絵巻と出合い、絵巻に描かれた図を参考に「奴の行列」も復活させるなど当時の祭礼を一部、再現させることができた。
冊子作成は27年から計画していたが、資金不足などで中断。昨年4月に再開し企画、編集はメンバーが担った。藤原会長は「祭りは単なる祭礼行事ではない。その土地における歴史の顕在化であり、文化そのもの」と冊子完成に感慨深げ。田巻秀樹事務局長も「81種の出し物を数える貴重な絵図を残すことができ、祭りのバイブルとして次世代に継承したい」と話す。
冊子は48%の縮尺で絵巻を掲載。2千部発行。定価2千円。県立博物館(同市睦町)、同神社、うさぎや(同市伝馬町)、ギャラリーたまき(同市南大通り)で販売。問い合わせはたまき(電)028・908・1300。